「建設業経理士」という資格はちょっと変わった名称がとっつきにくいですが、要するに「建設業の特殊な事情に特化した簿記資格」と考えれば間違ってはいません。資格名は難解そうですが、これが実に簡単に取得することができる資格です。現在建設業の仕事に従事している、あるいはは今後就職する予定のある人は是非取得しておいた方が良いでしょう。建設業経理士の資格は、取得していたからといってとても重宝するというものではありませんが、もちろん無いよりも有ったほうが有利なのは間違いありません。もっとも、大抵の資格というものはそういったものですが。建設業経理士(以前は建設業経理事務士と呼ばれていました)とは、建設業(戸建て住宅、高層ビル、マンションなどの箱物建築からダム、トンネル、舗装工事などの土木工事などをする企業)に特化した簿記資格です。建設業者といっても談合や耐震強度偽装などで新聞をにぎわす総合建設業(いわゆるゼネコン)から、街の工務店まで広範囲に渡っています。建設業は一般の製造業や小売業とは異なって、工事が複数年度にわたる長期間なものがあるので、一般簿記とは少々異なる会計処理をすることがあります。そこで「建設業経理士」という少々難解な資格名を与えられているわけです。しかしその試験内容は日商簿記ときわめて似通っていて、同等級の簿記検定を取得した実力があれば、合格できるレベルの問題です。しかも簿記の経験や知識が無い人であっても短期間の勉強でもちょっとしたコツを外さなければ問題から解答が導き出すことができます。裏技じみた手法ですが、実に小学生レベルの算数さえできれば解答できてしまうのです。

建設業経理士を取得するメリット

先ほども述べましたが、建設業経理士の資格を持っていると就職や昇進に有利かというとそれは残念ながら違います。採用や選考にあたって、まったく同じ条件の人が二人いたとすれば持っている人のほうが有利になるでしょうか、その程度の効果しかありません。無いよりはましというものです。看護師や弁護士のように、資格を持っていないと出来ない業務があったり資格事態がステータスになるようなものではありません。では建設業経理士は何のための資格なのでしょうか。建設業者が公共工事(国や市町村などが税金を使う工事)の入札に参加する際に関係があるのです。公共工事の金額や規模によって、入札に参加できる建設業者のランクは変わってきます。トンネル工事に町の工務店が参加できないように、道路の穴の補修にスーパーゼネコンが参加できないように区分けされているのです。その区分けのため、建設業者は「経営事項審査(経審)」という審査を受けます。経営状態、年間の工事量、技術者数、安全成績等項目は詳細ですが、「建設業経理士の人数」という項目があります。これが建設業経理士資格の大きなメリットになるわけです。ランクを上げたいともくろんでいる建設業者であれば資格手当てもあるかもしれませんし、求人に応募する履歴書に「建設業経理士」と書いてあれば、人事担当者から見れば「やる気があるんだな」と思われるでしょう。ものすごい役に立つというわけではありませんが、建設業や不動産業を目指すのであれば取得するメリットは充分にあるといえるでしょう。

建設業経理士試験の対策

建設業経理士は1級と2級があり、建設業経理事務士は3級と4級があります。しかし、経営事項審査で点数に数えられるのは2級以上、つまり建設業経理士の資格です。建設業経理事務士3級4級はもっていても本当に持っているだけの役に立ちません。2級を受験する前に腕試しをするには良いかもしれませんが、はっきり言ってお金と時間の無駄です。受験資格の制限は無いのでまずは2級から挑戦するのが得策です。念のため言っておきますが、1級はかなり難しいです。4級から2級までは択一式や多肢選択式、仕訳問題ですが、1級には論述形式の問題があり、それなりの知識と経験と文章力がないと合格は難しいでしょう。更に1級は3科目に分かれているので年に一科目ずつ合格しても取得に3年必要です。まずは2級に簡単に合格し、1級はその後ゆっくり検討しましょう。合格するための試験対策は、まずは2級の過去問題と問題集を買います。後はこれを5回ずつ解くだけです。3回目くらいには問題文を見ただけで答えがわかるようになってくるはずです。要するに、暗記してしまうのです。高校卒業程度の学力があればそれだけで7割は正答できて合格できます。というのも問題は例年ほぼ同じ構成になっているからです。面倒なのは仕訳問題ですが、仕訳の意味を理解する必要はありません。費目をみてその数字をどこに入れれば良いかを覚えていれば機械的に正答が導き出せます。スクールや通信教育などにお金をかけるのはもったいないです。一ヶ月間毎日一時間ほどこの方法で勉強すれば、まず間違いなく合格できるはずです。